相続・弁護士 法律相談

相続法の大改正がスタート

第1章 2019年7月1日施行の相続法改正(施行日以降に相続開始したものに適用される)

1.非嫡出子の相続分

 非嫡出子の相続分を、嫡出子の2分の1としていた部分を削除し、同等とした(900条)。
 これは、非嫡出子の相続分を2分の1とする規定を、最高裁大法廷平成25年9月4日判決が違憲としたことをうけ、削除したものである。

2.共同相続と対抗要件

 相続による権利の承継は、法定相続分を越える部分については、登記、登録、その他対抗要件を備えなければ、第三者に対抗できないと規定された(899条の2)。
 従来、判例で求められたものを、明文化したものである。

3.相続分の指定

 相続開始時の遺産に対する債権者は、遺言に相続分の指定があっても、相続分に応じて、権利を行使できる。ただし、債権者が相続分の指定に応じた債務の承継を承認したときはこの限りではないとした(902条の2)。
 これも、従来の判例理論を明文化したものである。

4.贈与、遺贈による配偶者居住財産

 @婚姻期間が20年以上の夫婦は、一方が他方に、その居住に供している建物またはその敷地を遺贈または贈与をしたときは、後に特別受益として持ち戻す必要は無くなった(903条)。
特別受益として持ちものす必要がなくなった範囲で、相続分が増加したという結果となる。
ただ、条文上では、相続分の増加に反対するものが多いことを配慮し、「特別受益の持戻し免除の意思表示の推定」という、奇妙な言い回しとなっている。

 A施行前になされた贈与、遺贈には適用されないことに注意する必要がある。

5.遺産分割前の財産処分

 相続開始後で遺産の分割前に処分された遺産は、相続人全員の同意により、遺産の分割時に遺産として存在するものと見なすことができるとした(906条の2)。
 従来は、遺産の分割前に処分されると分割の対象とできず、別途、民事訴訟等で解決するしかなかったが、今回の改正で、遺産として存在するとできることとなった。そのため、それを処分者に相続させて、その分、他の遺産に対する請求を排除できることとなった。

6.一部分割

 遺産の一部分割が可能であると明記された(907条)。
 従来から、全体から切り離し、一部だけの遺産分割も可能とされてきたが、今回それが明記された。

7.遺産分割前の預貯金債権の行使

 各共同相続人は、遺産の中の預貯金債権について、相続開始時の債権額の3分の1に、各自の法定相続分を乗じた金額については、単独で権利を行使できることとなった(909条の2)。ただし、別途法務省令で、金融機関ごとに、上限を150万円とされている。
 相続が開始すると預金が凍結され、緊急の対処ができないという不便があった。また、最高裁大法廷平成28年12月19日判決が、分割前の預金債権について、従来の分割債権説から準共有債権説に改めたので、預金債権の単独での行使ができなくなった。そこで、これらの不都合を避けるべく、一定の範囲内で預金債権の単独行使を可能としたものである。

8.自筆証書遺言の財産目録(これに限り、19年1月13日に先行施行)

 自筆証書遺言は、全文を自書し、日付を入れて、記名捺印をする必要があったが、添付する相続財産目録に限っては、自書要件を撤廃し、パソコンなどの機械による作製、他人の代筆などが広く許されることとなった(968条)。
 ただ、目録作製に当たっては、目録の各葉(両面の時は、両面)に署名し、印を押さなければならないとされている(前同)。

9.遺留分の抜本的改正(1042条〜1049条)

 @「遺留分減殺請求」でなく、「遺留分侵害額の請求」となり、「減殺」という用語が、条文から消えた。
従来の「遺留分減殺請求」は物権的形成権とされ、対象の相続財産の現物返還が原則とされた。その結果、株式や事業用資産も返還せざるを得ず、中小企業の事業承継のような場合、経営権の争奪に発展しかねない状況となっていた。そこで、今回の改正で、金銭的請求権に純化されることとなった。その結果、金銭的かたちで解決すればよく、経営権に対する影響を排除できる。

 A遺留分を算出するための贈与は、従前は、相続開始前の1年間に限るが、当事者双方が遺留分権利者に損害を与えることを知って贈与したときは、1年前の日より前にしたものも対象とされていた。
今回の改正では、相続人に対する贈与については、1年を10年として、大幅に延ばした。なお、第三者に対する贈与は、従来通り1年を基準としている(1044条)。
この改正は、中小企業の事業承継においては、意義が大きい。株式や事業用資産の譲渡はできるだけ早く後継者の子の承継させることが期待される。譲渡後、10年以上生存できれば、原則として遺留分を侵害しないが、10年以内に亡くなると、遺留分のなかに取り込まれ、価額弁償をしなければならなくなったからである。
ここで、@と合わせてまとめると、事業承継では、遺留分を侵害したとしても株式等の返還はないので経営権に影響を与えないものの、10年以内の事業承継では、遺留分を侵害すれば、価額弁償をさせて、兄弟間の公平を回復しようとすることにより、円滑な事業承継を期待しているといえよう。
事業承継は、譲渡後10年以上生存できるよう、早めにすることが強く期待されていると言えよう。

 B遺留分侵害の回復のためには、前述の通り金銭的請求に限られるが、改正法ではその計算方法が明確にされた(1046条)。
内容は、従来の判例(最三平成8.11.26)を精緻化したものであり、実務的な変更はないと思われるので、省略する。

 C今回の改正では、寄与分と遺留分の関係という、従来からの難問には、答えていない。

 D受遺者または受贈者の負担額については、改正前の1033条から1037条までの条項が整理され、精緻化されている(1047条)。
すなわち、遺贈→死因贈与→生前贈与の順で処理され、複数受遺者、受贈者の間では、それぞれ割合的に負担することになる。

 @遺留分侵害額に対する請求権は、遺留分権利者が、損害の開始及び遺留分を侵害する贈与があることを知ってから1年間行使しないときは時効により消滅する。相続開始から10年を経過したときも同様とする(1048条)。
形成権の行使が請求権の時効にかわっただけで、実質的な変更はない。

 A遺留分の放棄については、実質的な変更はない。

10.特別の寄与の新設

 @被相続人に対して無償で療養介護その他の労務の提供をして、被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与をした被相続人の親族()は、相続の開始後、相続人に対して、特別寄与料を請求できる(1050条1項)。
親族に関しては、相続人が除かれる他、相続放棄をしたもの、欠格者・排除者も除かれる。
親族は、民法725条の定めるものなので、具体的には、被相続人の配偶者、被相続人の兄弟姉妹及びその配偶者、被相続人の兄弟姉妹の子及びその配偶者、被相続人の配偶者の連れ子などであろう。扶養義務関係にあるものに限定されていない。
同居は、要件ではない。
療養介護だけでなく、農業や自営業の手伝いという労務も含むが、無償で無ければならない。

 A当事者に協議が整わないときは、家庭裁判所に協議にかわる処分を請求できる。ただし、相続の開始及び相続人を知ってから6ヶ月を経過したとき、または、相続の開始を知ったときから1年を経過したときは、この限りではない(同項)。

 B寄与料の額は相続開始時の財産の額から遺贈の価額を控除した残額を超えられない。また、相続人の負担は、法定相続分の割合による(同4項、5項)。


第2章 2020年4月1日施行の相続法改正

1.配偶者居住権

 @被相続人の配偶者は、被相続人の財産である建物に相続開始時に居住していた場合は、
@.遺産の分割により配偶者居住権を取得するものとされたとき
A.配偶者居住権が遺贈の目的とされたとき
には、その建物の全部について、無償で使用収益する権利(「配偶者居住権」を取得する。
ただし、相続開始時に、建物が配偶者以外のものと共有されているときはこの限りでない(1028条1項)。

 A居住権を取得した配偶者が居住建物を取得すると混同で居住権は消滅するはずだが、その後、他の者が共有持ち分を有するときは、居住権は消滅しないとみなされる(同上2項)。

 B婚姻期間が20年以上の夫婦の一方が死亡した場合、生存配偶者に配偶者居住権を遺贈したときは、建物またはその敷地を遺贈したときの規定である904条4項を準用し、持ち戻し免除の意思表示があったものと推定される(同3項)。
死因贈与契約は遺贈の規定を準用する(民法554)ので、同じく、持ち戻し免除の意思表示があったものと推定される。

 C遺産の分割請求を受けた家庭裁判所は、次に掲げる場合に限り、配偶者が居住権を取得する旨を定めることができる。
@.共同相続人間に、配偶者が配偶者居住権を取得することについて、合意が成立している場合。
A.配偶者が家庭裁判所に配偶者居住権の取得を希望する旨を申し出た場合において、居住建物の所有者の受ける不利益を考慮しても、なお配偶者の生活を維持するために特に必要があると認めた場合

 D配偶者居住権の存続期間は、配偶者の終身とする。ただし、遺産分割協議、遺言の定め、または、遺産分割の審判のおいて別段の定めをしたときはそれに従う(1030条)。

 E居住建物の所有者は、配偶者居住権設定の登記を設定する義務を負う(1031条)。

 F配偶者居住権は、譲渡することができない(1032条2項)

 G配偶者は、従前の用法に従って、善良な管理者の注意義務をもって使用・収益をする義務を負う。ただし、居住の用に供してこなかった部分について、居住の用に供することをさまたげない(同条1項)。
配偶者は、所有者の承諾無く、改築もしくは増築をし、または、第三者に使用・収益をさせることができない(同上3項)。
配偶者がこれらに違反し、相当の期間を定めた是正勧告に従わないときは、所有者は配偶者居住権を消滅させることができる(同上4項)。

 H配偶者は、使用・収益に必要な修理をすることができる(1033条1項)。配偶者が必要な修理を相当な期間内にしないときは、所有者はその修理をすることができる(同上2項)。

 I配偶者は、居住建物の通用の必要費(固定資産税や通常の修理費など)を負担する。特別の必要費(風水害による修理費など)や有益費(リフォーム費用など)は所有者の負担であるが、生存配偶者が支払った場合には所有者に対して償還できる(同上2項による民法582条2項の準用)。

2.配偶者短期居住権

 @被相続人の財産に属していた建物に、相続の開始時に無償で居住していた配偶者には、相続の開始と同時に配偶者短期居住権が成立する。これは、遺産分割により居住建物の帰属が確定した日、または、相続開始の時から6ヶ月を経過する日のいずれか遅い日まで存続する(1037条)。

 A配偶者短期居住権は無償だが、相続分として扱わない。

 B配偶者は、従来の用法に従う義務と善管注意義務を負い、収益権は無い。また、譲渡はできない


第3章 2020年7月10日施行の遺言書の法務局保管

1.遺言書の保管

 @民法の改正とは別立てで、法務局による、遺言書の保管等に関する法律が制定された。
これにより、自筆証書遺言は、本人確認と遺言書の方式の審査をした上で、所定の手続きにより、法務局に保管できることとなった。

 A法務局による保管された遺言書は、検認手続きは不要となる。



相続トラブルの原因

第1章 親の介護は相続争いの種になりやすい

 弁護士事務所の相談に来る相続トラブルのうち半数は親の介護に起因するといっていいほど、親の介護は相続紛争を惹起しやすい。
 親が長生きすればその介護は不可避であるが、兄弟姉妹のうちだれが負担するかが問題である。介護を引き受けた者とそうでない者との間で、どうしても不公平感が生じる。
 親を引き受けた者は特別の苦労と出費を強いられるが、この苦労を他の兄弟が認識していないことが多い。其の結果、親が死んだあと、介護をした者はその負担を遺産分割の中で考慮することを求めるが、他の兄弟はそれを無視しようとするので紛争となるのだ。
 逆の事態もある。親と同居していると、親が身近にいることから親から資金援助を受けることが多く、また、相続に備えて自分に有利な遺言書を書かせようとすることも多い。親は面倒を見て欲しい一心から、介護をしてくれる子のために積極的に有利な遺言書を書いたりもする。こうなると、逆に一人だけ有利な立場になる。さらに、有利な遺言書を書かせるために、積極的に親を引き取ろうとして、兄弟と揉めることもある。
 また、親を引き取った後に必ずしも親と上手くいくとは限らず、親を引き取ったのにろくな介護をしなかったと非難されることも多く、こうなると相続に絡まった利害関係は複雑となり、深刻な相続争いの原因となるのだ。

<対策>
介護するに当たっては、だれが引き取り、誰がどう費用負担するか、法定相続人間でよく話し合っておくことが望ましい。相続開始後の分け方も事前に兄弟間で話し合っておいて、その結果を親に納得してもらい、それを織り込んだ遺言書を書いておいてもらうと効果的である。

第2章 財産が多くても少なくても揉める

財産の少ない場合
 財産が、親の住んでいた土地・建物が主たるものという場合、これを売って現金で分ければよいが、ここに長男が住んでいて売却に応じないということも多い。この場合、長男が代償金として他の兄弟の持ち分を買い取ることが出来ればよいが、それが出来ないと紛争になる。

<対策>
この事態は予想できるので、長男は代償金の資金を予め用意するか、その時点で他に転居する用意をしておく必要がある。

財産の多い場合
 財産が多くても、揉めることは多い。不動産でも魅力あるものは、皆同じ考えであることが多く、取り合いになる。
 親が財産管理していればよいが、生前から管理は長男が代わって行っていることも多い。この場合、長男の都合で売却してしまったり、貸したり、ビル化したりする。その間に、売買代金が行方不明となっていたり、管理方法に他の兄弟が不満を持っていることも多い。となると、後からもめることは必定である。財産が多いだけに、深刻な相続争いになることも多い。

<対策>
財産が多い時は、遺言書を残して争いを事前に防止するというのが親の義務と言うべきである。内容が適格であれば、争いを未然に防止できる。
しかし実際は、遺言書があることは多くはない。遺言書の必要性はもっと啓蒙されるべきであろう。

第3章 寄与分・特別受益は揉めやすい

 寄与分は、相続人の一人が遺産の形成・維持に寄与した場合であり、寄与分は寄与者が別枠で相続することとなる。
 特別受益は、法定相続人の一人が親から特別の贈与を受ける場合であり、その分は遺産から差し引かれることとなる。
 問題はこれらの有無の判断とその額の算定である。寄与したと主張しても他の相続人がそれを認めなかったり、特別受益があると主張しても受けたとされる者がそれを認めないということは多い。立証は困難なことが多く、深刻な紛争となる。

<対策>
寄与分、特別受益の主張は事前に予想できるはずである。主張したい者も、防御しなければならない者も、予め証拠資料を集めておく必要がある。

第4章 父親が違う・腹違い・非嫡出子というのは紛争の種

これらの場合は、平和に解決できればラッキーと言うべきである。

<対策>
切り札は遺言書である。遺言書の作成をしておくことは親の義務である。
遺言書の無い時は、話し合いをするとますますこじれるということも多いので、早めに専門家に調整を頼んだ方がよいであろう。


当事務所は、「相続対策総合センター」と提携し、隣接分野の専門家とともに、総合的な対策と解決が図れるようになりました。
「相続対策総合センター」のメンバーとして、法律面から、相続トラブルの解決とその予防を担当します。遺産分割や、遺言書の作成は当事務所が対処します。
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相続に関する法律相談は、専門の弁護士にお任せください!
相続対策は、できるだけ早い段階から行うほど効果が高く、対策期間が長いほど有効な対策が立て易いのです。具体的には、誰が相続人になるか、その法定相続分はどのくらいかを確認したうえで遺言書を作成すること、また、相続税がどのくらいになるかを概算し、どのように納税するかを考えながら、節税対策を講じることも必要です。1次相続のみならず、2次相続やその後の相続人の生活等を総合的に考慮して、長期的視野に立って対策を講ずる必要があります。これらの事を踏まえ、相続に関する法律相談は、専門の弁護士にご相談することをおすすめ致します。

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もちろん何かお困りの時は、相続に関する法律相談は、専門弁護士の金子博人法律事務所にご連絡いただければお手伝いさせていただきます。
  1. 相続人は?
    通常は、相続人はすぐわかるはずですが、現実には亡くなった方に隠し子がいて認知していたとか、小さい頃に養子に出された兄弟姉妹がいたということもあります。 念のため被相続人の戸籍謄本を取り寄せて、相続人が誰なのかを確定させましょう。
  2. 遺言書はありますか?
    遺言書には「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」があります。遺言書の有無を確認し、遺言書がある場合にはその遺言書に従って財産の分割をしましょう。遺言所を無視して、遺産分割しても、無効です。
  3. 財産と借金の内容を確認しましょう
    亡くなった方の財産と借金を確認しましょう。相続税の申告書を提出した場合には、税務署がその相続税の計算が正しいかどうかを調査に来る可能性が高いです。そのときに隠し財産などがないようにしましょう。
  4. 遺産分割協議をしましょう
    (1)基本は、民法で定められた法定相続分です。遺産分割の方法は現物分割、代償分割、代物分割、換価分割 、共有分割があります。(2)相続人の間で遺産の分割が確定したら、遺産分割協議書を作成しましょう。
  5. 財産の評価をしましょう
    必要があれば、専門家(不動産なら不動産鑑定士など)に依頼しましょう。合理的な分割ができるし、相続税の節税できる場合もあります。
  6. 相続税の申告をしましょう
    亡くなってから10ヶ月以内に申告書の提出と納付をしなければなりません。それまでに遺産分割ができなければ、仮の申告し、相続税を納付する必要があります。

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相続税等の節税対策は重要!

 相続税の控除条件は平成27年1月1日より厳しくなる。そのため、相続税を納税する必要のある者は急増し、相続税の節税対策は重要なものとなろう。
 相続税の節税には色々な方法が考えられる。次に、その方法を紹介する。
 当事務所は、相続税の節税策を含めて、相続の対策全般の支援をすることを目指している。

第1章 事前準備による個人の相続税等の節税

相続税については、大きな改正があるので、注意を要する。
相続税の改正のポイント

1.個人事業を法人成りすることによる節税

 所得税法は超過累進税率なので、法人にして、自分だけでなく家族へ役員報酬や給料を出すことによって、所得の分散化を図る御ことにより、節税効果がある。
 相続税対策としては、遺産とせずに相続人固有の収入とすることにより、遺産を減らすことができる。

2.不動産を法人に所有させることによる節税

  1. ・所有不動産を現物出資により不動産保有会社を設立する。既にある法人に売却することでもよい。 ・役員報酬、給与を家族に分散する。累進課税を回避することができるし、給与所得控除が使えるので、所得税の節税ができる。ただし、給与所得控除の損金不算入の規定に注意。 ・賃貸住宅の取得に関する消費税の還付が使える。 ・サラリーマンの大家は、サラリーに不動産所得が加わってしまうので、法人化による節税効果は大きい。法人の役員を妻にすることが多い。 ・不動産収入が1500万円を超えるレベルの場合、法人化は効果的である。
  2. ・親から子に株式を時間をかけて少しずつ譲渡する。 ・設立した会社の株式を推定相続人に分割贈与し、家賃収入を推定相続人でわけると節税効果は大きい。 ・親が株式を所有している間は、株式の評価を下げることを考えるべきである。
    借り入れをするか、控除対象となる損金や役員報酬を増やす。あるいは、退職金を支給する。(退職金は税率が有利で、控除が大きい)
  3. ・相続で共有となったとき、まとめて法人に譲渡するとよい。 ・相続税額の取得費加算の適用を受けることができる不動産を期限内に売却できなかったときも、法人に売却することにより、特例の適用を受けることができる。
  4. 法人化することによる欠点
    @ 法人への譲渡における売却益が問題である。現物出資も、売買扱いとなる。 土地を時価の半分以下にすると、贈与税が発生するので注意。 取得費が判らないと、売却代金の19%とされる。  
    <対策>
     ・建物のみ譲渡し、土地は借りる(建物は簿価でOK)
     ・土地の賃借において、権利金を払う代わりに、税務署長に「無償返還の届け出」を出しておく。
     ・相続税額の取得費加算の適用を受けることができる不動産を期限内に売却する。
     ・他の不動産の譲渡損失が発生した年度に、法人へ売却する。
    A登記費用、不動産取得税などの初期経費がかかる。
    B個人時代の不動産ローンの返済が終わっていないと、法人の借り入れに切り替える必要がある。

3.サブリース法人による節税

  1. 自己の不動産を直接第三者に賃貸する代わりに、不動産を法人に賃貸し、第三者に転貸する。一種のサブリースである。
    法人は、賃料に対し10〜20%の手数料を得る。これにより、相続財産を圧縮することができる。
    法人において家族を役員にすることにより所得を分散できるので、所得税の節税になる。
    賃料に二重控除がないので、所有させるより、節税効果は劣る。
    不動産について、個人のローンの返済が終わっていない時も使える。

  2. 税務署に否認されないために賃貸借契約を明確にし、賃貸借契約の切替えや管理委託契約、資金の動きも明確にする。

4.不動産管理法人による節税

・法人に不動産を管理させる方法である。 ・サブリースの場合と同じように、相続税と所得税の節税効果がある。 ・管理費が出金するだけなので、所有、賃貸に比べ、節税効果は薄い。

5.親の資金で賃貸住宅

  1. ・例えば、1億円の賃貸住宅を親の費用で建築すると、賃貸住宅は建築費の42%程度の評価なので、資産価値を58%に圧縮できる。 ・親が長生きすると、家賃収入が相続財産となるので、10〜20年で節税効果は消滅する。遺産が増加するので、逆に相続税が増えることもある。
  2. ・この方法と、2.不動産を法人に所有させることによる節税の、不動産を法人に所有させる方法を比較して、どちらが有利か検討すべきである。 ・親の出資金で法人を設立し、株式を少しずつ贈与する方法がベターなことが多い。
    株式を推定相続人に分割贈与し、家賃収入を推定相続人でわけても、大きな節税があるはずである。
<事例検討>
空き地にアパートを建築する事例。
土地6000万円(路線価評価)、土地所有者がアパートを4000万円で建築し賃貸
借地権割合6割、借家権割合3割
メリット1 土地の評価減
アパートの敷地は、貸家建付地(かしやたてつけち)となり、2割程度の評価減。
この事例の場合では6割の借地権×3割の借家権=18%となる。
アパートの敷地の評価(相続税評価) 
6000万円×(1−60%×30%)=4920万円
6000万円−4920万円=1080万円の評価減となる。
メリット2 建物の評価減
建築費 4000万円(預金の減少又は債務の増加)。固定資産税評価は、建築費の概ね7割程度。借家権割合3割。
建物の評価(相続税評価)
4000万円×70%(固定資産税評価に修正)×(1−30%)=1960万円
4000万円−1960万円=2040万円の評価減となる。
メリット3 小規模宅地等の評価減のための候補地となれる。
空き地のままでは、被相続人の事業又は居住用の土地ではないので小規模宅地等を選択するときの候補地にねれない。しかし、アパートの敷地は、事業用の土地として200平米まで50%減額が受けられる可能性がある(ただし、小規模宅地等は、基本的には遺産の中で最も有利な土地から適用するので、他に有利な土地があれば、有利な方から適用する)。
デメリット
借り入れの返済や、管理費用の負担、空室率、売却の困難性がある。

6.配偶者への贈与

婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円のほかに最高2,000万円まで控除(配偶者控除)できるという特例がある。

  1. 特例を受けるための適用要件
    @ 夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与が行われたこと A 配偶者から贈与された財産が、自分が住むための国内の居住用不動産であること又は居住用不動産を取得するための金銭であること B 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与により取得した国内の居住用不動産又は贈与を受けた金銭で取得した国内の居住用不動産に、贈与を受けた者が現実に住んでおり、その後も引き続き住む見込みであること
    (注) 配偶者控除は同じ配偶者からの贈与については一生に一度しか適用を受けることができない。
  2. 配偶者への贈与は贈与税の節税となるが、相続財産の圧縮になるので、相続税の節税となる。

7.贈与基礎控除110万円の利用

  1. 贈与控除について
    ・贈与には基礎控除110万円があるので、110万円以下の贈与をすると贈与税がかからないし、相続財産の圧縮になる。 ・相続財産がそれほど多くない時(1億円位以下)の時は、相続税の節税として、この方法が効果的である。 ・Aが、ある一年間に、Bに100万円、Cに50万円、Dに80万円贈与した時、B,C,Dはその1年に他から贈与を受けていない時は、誰も贈与税は課税されない。しかし、Bが他から、その年に50万円の贈与を受けていた時は、Bは贈与税を課税される。 ・相続開始3年以内の贈与は、相続財産に加算されることに注意。 ・贈与者から10年間にわたって毎年100万円ずつ贈与を受けることを約束している場合は、1年ごとに贈与を受けると考えるのではなく、約束をした年に定期金に関する権利(10年間にわたり毎年100万円ずつの給付を受ける権利)の贈与を受けたものとして贈与税がかかるので、注意を要する。
  2. 贈与の否認に注意
    ・相続税申告時に、贈与が否認されないよう、贈与契約を明確とするとともに、資金の動きを明確にするため、銀行送金を使う。  ・120万円贈与し、受贈者が確定申告をして贈与税を1万円支払うのも意味がある。申告は面倒だが、これにより、贈与が否認されることはまずなくなるはずだからである。

8.保険を使う節税

・親が子の保険料を負担して、子が生命保険契約をして親を被保険者とする。保険料について、年110万円の贈与税の非課税枠を利用すると、贈与税はかからず、相続財産が減少する。節税効果は大きい。 ・保険金は、子の納税資金となるし、子への援助となる。

9.教育資金の贈与

  1. ・教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置は、贈与税の節税となるとともに、相続財産の圧縮により、相続税の節税となる。 ・祖父母(贈与者)は、子・孫(受贈者)名義の金融機関の口座等に、教育資金を一括して拠出する。この資金について、子・孫ごとに1,500万円までを非課税とする。
    学校等以外の者に支払われるものについては500万円を限度とする。
    ・教育資金の使途は、金融機関が領収書等をチェックし、書類を保管する。 ・孫等が30歳に達する日に口座等は終了する。この時の残額については、贈与税がかかる。 ・これは、平成25年4月1日から平成27年12月31日までの3年間の措置である。
  2. ここでの教育資金とは学校等に対して直接支払われる次のような金銭
    ア 入学金、授業料、入園料、保育料、施設設備費又は入学(園)試験の検定料など
    イ 学用品費、修学旅行費、学校給食費など学校等における教育に伴って必要な費用など
  3. 「学校等」とは
    ・学校教育法上の幼稚園、小・中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、高等専門学校、大学、大学院、専修学校、各種学校 ・外国の教育施設
    〔外国にあるもの〕その国の学校教育制度に位置づけられている学校、日本人学校、私立在外教育施設
    〔国内にあるもの〕インターナショナルスクール(国際的な認証機関に認証されもの)、外国人学校(文部科学大臣が高校相当として指定したもの)、外国大学の日本校、国際連合大学
    ・認定こども園又は保育所など
  4. 学校等以外に対して直接支払われる次のような金銭で社会通念上相当と認められるものも対象となる
    @ 役務提供又は指導を行う者(学習塾や水泳教室など)に直接支払われるもの
    ・ 教育(学習塾、そろばんなど)に関する役務の提供の対価や施設の使用料など ・ スポーツ(水泳、野球など)又は文化芸術に関する活動(ピアノ、絵画など)その他教養の向上のための活動に係る指導への対価など ・上記役務提供又は指導で使用する物品の購入に要する金銭 A以上以外(物品の販売店など)に支払われるもの
    ・教育資金に充てるための金銭であって、学校等が必要と認めたもの
  5. 高齢者の余剰財産を必要とする世代に委譲するシステムとして、極めて合理的なものであろう。
    祖父や祖母が、孫の将来を思う気持ちをかなえるものでもある。

10.海外積み立て投資

・子ども名義で海外積立投資をする方法がある。
年110万円の贈与税の非課税枠を利用して、子どものために海外積立投資をして節税をする。
・節税とともに、海外ファンドで運用し、子息が自分の財産を増やすことができる。 ・これに対応した様々な金融商品が登場している。

11.養子縁組

・相続財産については、相続人一人について、500万円の基礎控除がある。平成27年1月1日からのから相続については、相続人一人について、300万円になる。
従って、養子が増えると相続の基礎控除を増やすことができる。
・ただし、基礎控除が増やせるのは、実子がいる場合は1名まで、いない時は2名までである。

12.墓地や仏具などを生前に購入する

・相続財産を圧縮できるからである。 ・基礎控除を超えるかどうか微妙なときには、効果的である。

13.海外移住はどうか

・究極の節税方法は、相続税が低い海外に移住することである。
日本は世界で最も相続税率の高い国であり、どんな国に移住しても相続税は下がるはずである。たとえば、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランドなどの国には、そもそも相続税や贈与税が存在しない。
・ただし、そのためには、海外での法人設立や、相続人も被相続人もその国に居住していることが条件となることが多く、現実にはハードルは高いであろう。 ・税務当局は資産の海外移転に伴う課税逃れに対する監視体制を厳しくしているので、仮装は不可である。

14.結語 ― 手段選択のめど

・金融資産が1〜2億ぐらいの人は、賃貸不動産で節税するよりも、金融資産の生前贈与のほうが有効なことが多い。

・保有財産額が10億以上の富裕層では、法人を絡めた賃貸不動産の活用が、節税効果が大きい。 ・不動産所得が1000万円以上の人は、不動産を法人で活用すると効果的である。 ・各種節税策は、被相続人の年齢も考慮すること。一般的に60歳くらいの比較的若い時は効果が大きいが、年齢が上がると、効果が薄くなることが多い。


第2章 相続後申告時の節税いろいろ

相続開始後においては、不動産評価の圧縮が重要である。ポイントを説明しよう。
相続税の改正のポイント

1.広大地の評価減

・広大地は、一定の条件のもとで評価減がある。 ・広大地とは、その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地で、都市計画法第4条第12項に規定する開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められるものをいう。ただし、大規模工場用地に該当するもの及び中高層の集合住宅等の敷地用地に適しているものは除かれる。

  1. 市街化区域
    三大都市圏  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 500u以上
    それ以外の地域 ・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1,000u以上
  2. 非線引き都市計画区域及び準都市計画区域  ・・・・・・・・ 3,000u以上
・広大地の価額は、次に掲げる区分に従い、それぞれ次により計算した金額によって評価する。
@ 広大地が路線価地域に所在する場合
  広大地の価額=広大地の面する路線の路線価×広大地補正率×地積
  広大地補正率=0.6−0.05×広大地の地積÷1,000u
A 広大地が倍率地域に所在する場合
  その広大地が標準的な間口距離及び奥行距離を有する宅地であるとした場合の1当たりの価額を、
  上記(1)の算式における「広大地の面する路線の路線価」に置き換えて計算する。

2.小規模宅地等の評価減

  1. 特例の概要
    個人が、相続又は遺贈により取得した財産のうち、その相続の開始の直前において被相続人等の事業の用に供されていた宅地等又は被相続人等の居住の用に供されていた宅地等のうち、一定の選択をしたもので限度面積までの部分(以下「小規模宅地等」という)については、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、一定の割合を減額します。この特例を小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例という。
     なお、相続開始前3年以内に贈与により取得した宅地等や相続時精算課税に係る贈与により取得した宅地等については、この特例の適用を受けることはできない (注)1.被相続人等とは、被相続人又は被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族をいう。
    2.宅地等とは、土地又は土地の上に存する権利で、一定の建物又は構築物の敷地の用に供されているものをいう。
     ただし、棚卸資産及びこれに準ずる資産に該当しないものに限られる。
    *特定同族会社株式の評価減とは選択的適用となる。

  2. 減額される割合等

    平成22年4月1日以後に相続の開始のあった被相続人に係る相続税について、小規模宅地等については、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、次の表に掲げる区分ごとに一定の割合を減額する。

    相続開始の直前における宅地等の利用区分

    要件

    限度面積

    減額される割合

    被相続人等の事業の用に供されていた宅地等

    貸付事業以外の事業用の宅地等

    @

    特定事業用宅地等に該当する宅地等

    400u

    80%

    貸付事業用の宅地等

    一定の法人に貸し付けられ、その法人の事業
    (貸付事業を除く)用の宅地等

    A

    特定同族会社事業用宅地等に該当する宅地等

    400u

    80%

    B

    貸付事業用宅地等に該当する宅地等

    200u

    50%

    一定の法人に貸し付けられ
    その法人の貸付事業用の宅地等

    C

    貸付事業用宅地等に該当する宅地等

    200u

    50%

    被相続人等の貸付事業用の宅地等

    D

    貸付事業用宅地等に該当する宅地等

    200u

    50%

    被相続人等の居住の用に供されていた宅地等

    E

    特定居住用宅地等に該当する宅地等

    240u

    80%

    (注)
    1 「貸付事業」とは、「不動産貸付業」、「駐車場業」、「自転車駐車場業」及び事業と称するに至らない不動産の貸付けその他これに類する行為で相当の対価を得て継続的に行う「準事業」をいう(以下同)。 2 「限度面積」については、「特定事業用宅地等」、「特定同族会社事業用宅地等」、「特定居住用宅地等」及び「貸付事業用宅地等」のうちいずれか2以上についてこの特例の適用を受けようとする場合は、次の算式を満たす面積がそれぞれの宅地等の限度面積になります。
    A+(B×5/3)+(C×2)≦400u
     A:「特定事業用宅地等」、「特定同族会社事業用宅地等」の面積の合計(@+A)
     B:「特定居住用宅地等」の面積の合計(E)
     C:「貸付事業用宅地等」の面積の合計(B+C+D)

  3. 特例の対象となる宅地等
    この特例は、特定事業用宅地等、特定居住用宅地等、特定同族会社事業用宅地等及び貸付事業用宅地等のいずれかに該当する宅地等であることが必要である。

    <特定事業用宅地等>

    相続開始の直前において被相続人等の事業(貸付事業を除く。以下同じ)の用に供されていた宅地等で、次の表の区分に応じ、それぞれに掲げる要件の全てに該当する被相続人の親族が相続又は遺贈により取得したものをいう(次の表の区分に応じ、それぞれに掲げる要件の全てに該当する部分で、それぞれの要件に該当する被相続人の親族が相続又は遺贈により取得した持分の割合に応ずる部分に限られる)。

    ○特定事業用宅地等の要件

    区分

    特例の適用要件

    被相続人の事業の用に
    供されていた宅地等

    事業承継要件

    その宅地等の上で営まれていた被相続人の事業を相続税の申告期限までに引き継ぎ、かつ、その申告期限までその事業を営んでいること。

    保有継続要件

    その宅地等を相続税の申告期限まで有していること。

    被相続人と生計を一にしていた
    被相続人の親族の事業の用に
    供されていた宅地等

    事業継続要件

    相続開始の直前から相続税の申告期限まで、その宅地等の上で事業を営んでいること。

    保有継続要件

    その宅地等を相続税の申告期限まで有していること。


    <特定居住用宅地等>

    相続開始の直前において被相続人等の居住の用に供されていた宅地等で、次の区分に応じ、それぞれに掲げる要件に該当する被相続人の親族が相続又は遺贈により取得したものをいう(次表の区分に応じ、それぞれに掲げる要件に該当する部分で、それぞれの要件に該当する被相続人の親族が相続又は遺贈により取得した持分の割合に応ずる部分に限られます)。なお、その宅地等が2以上ある場合には、主としてその居住の用に供していた一の宅地等に限る。

    ○特定居住用宅地等の要件

    区分

    特例の適用要件

    取得者

    取得者等ごとの要件

    被相続人の居住の用に
    供されていた宅地等

    被相続人の配偶者

    「取得者ごとの要件」は無い。

    被相続人と同居していた親族

    相続開始の時から相続税の申告期限まで、引き続きその家屋に居住し、かつ、その宅地等を相続税の申告期限まで有している人

    被相続人と同居していない親族

    @及びAに該当する場合で、かつ、次のBからDまでの要件を満たす人
    @ 被相続人に配偶者がいないこと A 被相続人に相続開始の直前においてその被相続人の居住の用に供されていた家屋に居住していた親族で相続人(相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合の相続人)がいないこと。 B 相続開始前3年以内に日本国内にある自己又は自己の配偶者の所有する家屋(相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋を除く)に居住したことがないこと。 C その宅地等を相続税の申告期限まで有していること。 D 相続開始の時に日本国内に住所を有していること、又は、日本国籍を有していること。

    被相続人と生計を一にする
    被相続人の親族の居住の用に
    供されていた宅地等

    被相続人の配偶者

    「取得者ごとの要件」はない。

    被相続人と生計を一にしていた親族

    相続開始の直前から相続税の申告期限まで引き続きその家屋に居住し、かつ、その宅地等を相続税の申告期限まで有している人


    <特定同族会社事業用宅地等>

    相続開始の直前から相続税の申告期限まで一定の法人の事業(貸付事業を除く。以下同じ)の用に供されていた宅地等で、次表の要件の全てに該当する被相続人の親族が相続又は遺贈により取得したものをいう(一定の法人の事業の用に供されている部分で、次表に掲げる要件の全てに該当する被相続人の親族が相続又は遺贈により取得した持分の割合に応ずる部分に限られる)。
    なお、一定の法人とは、相続開始の直前において被相続人及び被相続人の親族等が法人の発行済株式の総数又は出資の総額の50%超を有している場合におけるその法人(相続税の申告期限において清算中の法人を除く)をいう。

    ○特定同族会社事業用宅地等

    区分

    特例の適用要件

    一定の法人の事業の用に
    供されていた宅地等

    法人役員要件

    相続税の申告期限においてその法人の役員(法人税法第2条第15号に規定する役員(清算人を除く)をいう)であること。

    保有継続要件

    その宅地等を相続税の申告期限まで有していること。


    <貸付事業用宅地等>

    相続開始の直前において被相続人等の貸付事業の用に供されていた宅地等で、次表の区分に応じ、それぞれに掲げる要件の全てに該当する被相続人の親族が相続又は遺贈により取得したものをいう(次表の区分に応じ、それぞれに掲げる要件の全てに該当する部分で、それぞれの要件に該当する被相続人の親族が相続又は遺贈により取得した持分の割合に応ずる部分に限られる)。

    ○貸付事業用宅地等の要件

    区分

    特例の適用要件

    被相続人の貸付事業の用に
    供されていた宅地等

    事業承継要件

    その宅地等に係る被相続人の貸付事業を相続税の申告期限までに引き継ぎ、かつ、その申告期限までその貸付事業を行っていること。

    保有継続要件

    その宅地等を相続税の申告期限まで有していること。

    被相続人と生計を一にしていた
    被相続人の親族の貸付事業の用に
    供されていた宅地等

    事業継続要件

    相続開始の直前から相続税の申告期限まで、その宅地等に係る貸付事業を行っていること。

    保有継続要件

    その宅地等を相続税の申告期限まで有していること。

3.欠陥土地、建物の評価減

・欠陥土地については、一般的な評価額よりも評価額を下げることができる。ただ、下げるためには、自ら、それを立証する努力が必要である。 ・細長い土地など、不動産鑑定士による鑑定評価により、路線価よりも低くできる。 ・建物に欠陥がある場合は、固定資産評価額より、低額にできる。

4.還付による税金回復

広大地の評価減、小規模宅地等の評価減、欠陥土地の表加減などを活用しなかったことが後に判明した時は、5年以内なら、還付可能(利息付き)である。

   
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