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医療法人のM&A

5 出資持ち分の無い医療法人への移行と贈与税、並びに相続対策
  1. 出資持分のない医療法人は、退社時の出資持分の払戻請求がないため、医療法人の経営の安定性、継続性が確保し、深刻な相続問題を回避できることは、前述した。持ち分に関する問題を解決する抜本的な方法は、持ち分無き医療法人に移行することである。
    出資持ち分の無い医療法人への円滑な移行マニュアルー厚生労働省

  2. しかし、持ち分の無い法人に移行するためには、出資持ち分の放棄が伴うので贈与税の課税リスクが生じる。
    一定の要件をクリアすれば贈与税を回避できるが、その要件は後述のとおり厳しい。
    特定医療法人へ移行できれば贈与税は課税されないので、40床以上ある病院では特定医療法人への移行を考えた方が容易なことも多いようだ。

  3. 贈与税を回避することが無理だとしても、持ち分の無い法人に移行することを断念すべきではない。
    なぜならば、相続が発生して相続人に払い戻しをすることに比べると、医療法人にとっての負担は、贈与税の負担のほうが格段に少なくてすむからである。
    となれば、贈与税を支払っても持ち分無き法人となり、相続対策をするという選択肢も十分に意味のあることである。

    贈与税の計算例
    出資持分の評価額が1億円、出資者はAとB、持ち分がそれぞれ9000万円と1000万円とする
    (評価額は相続税財産評価基本通達による)
      Aの出資持分評価額 9,000 万円
       (イ)(9,000 万円−110 万円)×50%−225 万円=4,220 万円
      Bの出資持分評価額 1,000 万円
       (ロ)(1,000 万円−110 万円)×40%−125 万円=231 万円
      納付すべき贈与税額 (イ)+(ロ)=4,451 万円 となる。
     仮に、払い戻しをすれば1億円が出ていくことになる。
     贈与税による支出であれば、その45%弱の、負担で済むこととなる。

  4. M&Aの活用
    出資持ち分のある医療法人は、自ら持ち分の無い法人に移行することが困難だとしても、出資持ち分の無い医療法人(特定医療法人、社会医療法人等)への合併をするという選択肢がある。これによれば、効果的に持ち分の無い法人に移行できる。
    ただし合併には、総社員の同意が必要なので(医療法47条)、反対社員の持ち分は払い戻し、あるいは、スポンサー等による買い取りが必要となる。

  5. 贈与税回避の要件
    特定医療法人に移行しないまま、贈与税を払わずに持ち分を放棄できれば、移行は容易である。しかし実際は、その要件は厳しい。
    端的に言えば、社会医療法人、又は、特定医療法人の要件に準じる状況があることが必要となるのだ。
    医療の合併について

    次に、その要点を示そう。
    税法適格の要件
    1. 一定の事項が定款等に定められていること
      (1)医療法人の「運営組織が適正である」こと(相令33B一)
      A 理事の定数は6人以上、監事の定数は2人以上であること。 B 理事及び監事の選任は、例えば、社員総会における社員の選挙により選出される
      など、その地位にあることが適当と認められる者が公正に選任されること。
      C 理事会の議事の決定は、次のEに該当する場合を除き、原則として、理事会において理事総数(理事現在数)の過半数の議決を必要とすること。 D 社員総会の議事の決定は、法令に別段の定めがある場合を除き、社員総数の過半数が出席し、その出席社員の過半数の議決を必要とすること。 E 次に掲げる事項(次のFにより評議員会などに委任されている事項を除く)の決定は、社員総会の議決を必要とすること。この場合において、次の(E)及び(F)以外の事項については、あらかじめ理事会における理事総数(理事現在数)の3分の2以上の議決を必要とすること。
      (A)収支予算(事業計画を含む)
      (B)収支決算(事業報告を含む)
      (C)基本財産の処分
      (D)借入金(その会計年度内の収入をもって償還する短期借入金を除く)その他新たな義務の負担及び権利の放棄
      (E)定款の変更
      (F)解散及び合併
      (G)当該法人の主たる目的とする事業以外の事業に関する重要な事項
      F 社員総会のほかに事業の管理運営に関する事項を審議するため評議員会などの制度が設けられ、上記(E)及び(F)以外の事項の決定がこれらの機関に委任されている場合におけるこれらの機関の構成員の定数及び選任並びに議事の決定については次によること。
      (A)構成員の定数は、理事の定数の2倍を超えていること
      (B)構成員の選任については、上記(1)のBに準じて定められていること
      (C)議事の決定については、原則として、構成員総数の過半数の議決を必要とすること
      G 上記CからFまでの議事の表決を行う場合には、あらかじめ通知された事項について書面をもって意思を表示した者は、出席者とみなすことができるが、他の者を代理人として表決を委任することはできないこと。 H 役員等には、その地位にあることのみに基づき給与等を支給しないこと。 I 監事には、理事(その親族その他特殊の関係がある者を含む)及び評議員(その親族その他特殊の関係がある者を含む)並びにその法人の職員が含まれてはならないこと。また、監事は、相互に親族その他特殊の関係を有しないこと。

    2. 事業運営及び役員等の選任等が定款等に基づき行われていること

    3. その事業が社会的存在として認識される程度の規模を有していること
      医療法(昭和23年法律第205号)第1条の2第2項に規定する医療提供施設を設置運営する事業を営む法人で、その事業が社会医療法人を想定した基準又は特定医療法人を想定した基準の要件を満たすもの。

      社会医療法人を想定した基準を採用する場合
      社会保険診療等に係る収入金額が全収入金額の80%以上
      ※社会保険診療等に介護保険・助産に係る収入金額を追加
      自費患者に対する請求方法が社会保険診療と同一
      医業収入が医業費用の150%以内
      役員及び評議員に対する報酬等の支給基準を明示
      病院又は診療所の名称が4疾病5事業に係る医療連携体制を担うものとして医療計画に記載

      特定医療法人を想定した基準を採用する場合
      社会保険診療等に係る収入金額が全収入金額の80%以上
      自費患者に対する請求方法が社会保険診療と同一
      医業収入が医業費用の150%以内
      役職員に対する報酬等が3,600万円以下
      ・(病院の場合)40床以上又は救急告示病院
      ・(診療所の場合)15床以上及び救急告示診療所
      差額ベッドが全病床数の30%以下

      相続税又は贈与税の負担が不当減少の時
      「相続税又は贈与税の負担が不当減少」がyesであれば、医療法人を個人とみなして贈与税課税。
      不当減少の判定は政令(相令33B)による(相法66E)。

      (1)同族親族等関係者が役員等の総数の3分の1以下であること(相令33B一) yesなら、(noであれば贈与税課税。以下同じ)
      (2)医療法人関係者に対する特別利益供与が禁止されていること(相令33B二)
      ※法令解釈通達16(P116)により判定
      yesなら、
      (3)残余財産の帰属先が国、地方公共団体、公益法人等に限定されていること(相令33B三) yesなら、
      (4)法令違反等の事実がないこと(相令33B四) yesなら、不当減少とはならず医療法人に対して贈与税の課税はされない。

      以上の通り、贈与税回避の条件は厳しいが、持ち分の放棄は社員総会で決議をえる必要があるだけでなく、反対の社員の持ち分を強制的に取り上げることができないので、どうしても反対する社員の持ち分については、それを買い取る必要があることを忘れてはいけない。

    平成25年税制改正で、医療法人の持ち分に関し、相続税・贈与税の納税猶予制度が創設されたことに注目!
    平成25年度税制改正(租税特別措置)要望事項
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