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【第8章】 M&Aを成功させるために
1.失敗例の研究

(1)売り主の代金の設定、スキームの不合理

契約まで至れない最大理由は、売り主の代金設定が高すぎることであろう。少しでも高く売りたいという気持ちはわかるが、買い手側が意欲を失うような設定では、交渉にも入れないということになってしまう。
代金の設定が高いという場合、そもそもスキーム作りに無理があることが多い。ことに、経営が行き詰まっている時、債権の圧縮が必要な場合が多いのだが、それを無視しては、始めから、市場に参入できない。この場合、民事再生だけでなく、担保付きで債権を買い取るとか、特定調停の活用がありうるのだが、オーガナイザーが弁護士でないと、スキーム作りが不可能である。
M&Aの相手に、知り合いを選ぶ経営者も結構いる。しかし、知り合いは、予想外に厳しく出てくることがある。内情をよく知っているからだ。予定の値段が出てこず、M&Aが中にうくという例も多い。

(2)代金のすり合わせが不十分

M&Aの仲介業者が、売り手と買い手の両者を代理するというケースは多い。仲介業者から見れば、売り手、買い手の両社から報酬を取れるので、理想的であるが、当事者にとっては、最悪である。売り手は高く売りたいし、買い手は安く買いたいのだが、一人の仲介業業者では、利益相反して、うまく調整が出来ない。これを無理して、まとめようとすると、両当事者にとって、不完全燃焼ということになる。
買い手にとっては、買っていいかどうかの相談を真剣に聞いてくれるものがいなくなるし、買った後のことを織り込んだスキーム作りをしてくれるものがいない。売り手にとっては、適切な売り方、値段設定を考えてくれるものがいない。これでは、合理的なゴールにたどり着けないのだ。

(3)反対勢力の登場

M&Aでは、交渉はスムースに言っても、従業員に発表した途端、従業員や労働組合の猛反発に遭遇し、動きがとれなくなることが、かなりある。従業員に、何時どう発表するかがは慎重に検討する必要があるのだ。
買い手企業が大手の場合、M&Aでさえ稟議にかけないと手続きが進まないという企業は多い。これでは、秘密裏に準備しなければならない段階で情報が漏れて、社内が大混乱となることも多い。
情報が無造作に漏れると、取引先が反対し、時には取引をキャンされることも多い。これでは、M&Aをする意味が無くなり、M&A自体が頓挫する例をよく耳にする。
ことに、下請けは系列維持が価値そのものということが多く、有力取引先を失うことは、致命的である。

(4)隠れた債務の発覚は怖い

最近は契約書に表明保証を記載する実務が大はやりで、これですべて解決するような錯覚を抱いている者が多いが、表明保証は万能ではない。いくら表明保証しても、偶発債務は発生するし、それを表明保証違反だと主張しても、裁判所は、管谷損害賠償を認めてくれない。
時間外労働、休日労働の割増賃金、未払い賃金、労災の損害賠償などは、隠れた債務の典型例である。労使問題が、売却の動機という例もあるので、注意が必要である。解雇リスク、セクハラの賠償もあるし、退職金を引き継ぐかどうかも重要である。
保証、担保提供が発覚することも多い。手形の裏書き債務の発覚もよくある。リースバックが担保の時、資産調査では負債扱いとなり、資産評価に影響する。資産の証券化の時も同じ問題が生じるので注意されたい。
係争中の損害賠償義務、その他、係争中の紛争、訴訟の発覚もある。最近は、環境、土壌汚染の発覚も多い。古い建物では、アスベストの調査も忘れてはならない。
デリバティブ取引が発覚したこともある。
循環取引が行われていて、不良な貸付金が発覚という例もある。
贈収賄、談合、下請け法、不正競争防止法違反など無理はないかの点検は重要である。反社会勢力との関係も重要である。
税金の未払いが発覚することもあるので注意すべきである。
偶発債務に財務諸表中に適切な注記がなされているか、引当金が計上されているかなども調査する必要があるのだ。
簿外債務が予想される時には、会社分割や事業譲渡を選択し、株式譲渡や合併を避けるということも考えなければならないことも多い。
債務ではないが、回収不能の売掛金にも注意をすべきである。

(5)買い手側の失敗―期待したリターンが得られない

M&A,MBOは盛んになったが、現実は厳しく、半分が失敗とも言われている。その理由は、基本的には、事後の事業計画が綿密でないことと、買値が事後のリターンに比して、高すぎるのだ。
想定していた、シナジーが働かないということも多い。これは、事業計画の甘さから来るものである。
従業員が逃げてしまうというケースも、かなり目にする。ことに、優秀な者ほど、消えていく。ITの会社で、優秀な技術者に逃げられると、M&Aで買い取ったい見舞消失してしまうのだ。
買収資金を借り入れに頼ると、財務バランスが悪化して、金融機関の格付けが下がり、その後の資金繰りに苦しむという例も多い。
ターゲット企業の立て直しに経営資源が奪われ、本体が傾くという例も稀ではない。
暖簾の償却費の負担、合併差損益の資本の部に与える影響等が、足を引っ張ることもある。
MBOは、資金需要に注意する必要ある。全体に、想定が甘いことが多い。
経営者交代で取引先を失い、顧客が逃げるというケースは多い。M&Aの場合、取引先や顧客の維持ということも、充分想定しておく必要があるのだ。

(6)買収後のマネジメントは重要

買収後のマネジメントが重要である。経営戦略、誰を派遣するか、業績管理、資金管理、人事管理といったポイントがある。
とはいえ、日本企業の「社風」は強く、簡単には変わらない。合併など、なかなか人的な融合ができない。合併よりもホールディングカンパニーのほうが効果的なことも多い。
不採算部門の切り離し、人員削減が可能かなどは、事前によく検討する必要がある。
間接部門の集約化など、コスト削減に努力することも必要だ。
人事制度の合理化は重要である。労働条件の変更が可能かなどはよく検討しておくべきなのである。
人事管理に失敗すると、従業員、技術者が散逸し、もちべ―ションが低下する。原因は、給料低下、指揮系統の変化、引き継ぎの失敗などが多い。
社長を顧問として残ってもらい、会社内の雰囲気の急変を避けると効果的なことが多い。この場合は、机をどこにおくか、独立した部屋が必要かなどを取り決めておかないと、トラブルとなることがある。送迎車の有無を取り決めておくこともある。とはいえ、何時までも社長に頼ると逆の弊害が出ることもある。どうするかは、事前によく検討しておく必要がある。
情報システムは、引き継げるかも重要である。引き継げないと、システムの構築に予想外の費用が必要となる。
グループ化の場合、全体の経営理念、強力なリーダシップと明確なビジョンが必要である。グループ全体のシナジーの追及も必要である。
いずれにしても、マネジメントには、監督と執行という役割分担の明確化と、ガバナンス機能が重要である。各事業の経営責任の明確化が必要なのである。

(7)競業避止義務に注意

企業が行き詰ってM&Aをする時は、売却して身軽になった後新たの事業展開を考えていて、大きなトラブルとなることがある。
M&Aには、M&A後の競業避止義務が付きものである。期間は10年、20年が多い。競業避止義務の存在には十分に注意する必要がある。

2.濫用的M&Aに注意

M&Aは、残念ながら濫用的に利用されることも稀にはある。
その第一は、M&Aで強引に買い取った上で、改めて高値で買い取らせるタイプである。「グリーンメイラー」といわれるものである。
ファンドがいったん買収し、経営を立て直し、あるいは企業を育て上げて付加価値をつけた上で売却して収益を得るというM&Aもあるが、これは、一見「グリーンメイラー」に似ている。が、自らの努力で、企業価値を高めることが目的なので、努力をせずに転売益を得ようとする「グリーンメイラー」とは本質的に異なるものである。
第二は、M&Aで取得した上で解体し、会社財産を自分の会社に委譲させる「焦土化経営」といわれるものである。それまで蓄積した企業努力が消滅してしまう。
第三は、取得後、会社財産を債務の担保や弁済原資に流用し、その会社の経営は二の次というタイプである。これでは、企業資源が消耗してしまう。社会的に、大きな損失である。
第四は、取得後、その会社を高価で売り抜けるというもので、やはり会社経営に興味がないタイプである。
濫用的なM&Aは、長い年付きをかけて築いた会社財産が消耗する危険が高く、望ましいものではないことは言うまでもない。M&Aは、さらに活発に利用されるべきだが、この様な濫用例もあるということを忘れてはならない。

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